美容師が独立開業するために必要な資金って?考えるべき「10」のお金

日本では美容師に開業権が認められており、資格を保有していれば自分の店舗を構えて開業する事ができます。美容師の方なら誰しもが、開業して自分の思うようなお店を作っていきたいと感じたことがあるのではないでしょうか。また、美容師を目指している方の中にも、将来的に自分の店舗を持つことに憧れを頂いている方がいるはずです。

 

今回は、美容師として開業(独立)するためにはどのくらいの資金や準備期間・準備が必要なのかについて紹介していきます。美容師として独立したい方はもちろん、今後の開業を夢見ている方も、現実的な部分を知っておきましょう。

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独立にあたって考えるべき金額には10個のポイントがある

美容師 独立 資金

美容師が独立・開業するにあたって考えなくてはならない費用は、大きく分けて10種類あります。具体的には開業までに必要な資金が4種類、お店の運営・維持にあたって必要な資金が5種類、そしてお店を発展させるために必要な広告費です。

 

コンビニよりも多いと言われる美容室。生き残るためには開業資金だけでなく、先々の見通しをたてて資金を用意しましょう。

① 開業に必要な資金:店舗を構える料金

美容師 開業

店舗を構える方法は大きく分けて2つあり、貸店舗などを不動産会社から借りて利用する方法と、店舗を建てる方法とがあります。現実的に資金面を考慮すると、前者の「貸店舗を利用する方法」に落ち着くはずですので、今回はこちらの資金を中心に紹介します。

 

貸店舗を契約する際は、一般的な賃貸住宅とは異なり、不動産契約をすることになります。賃貸住宅であれば、1.2ヶ月分の家賃を前払いすることが多いですが、不動産契約の場合には10ヶ月分程度の家賃前払いが必要になります。

 

前払いの金額は店舗の家賃によって異なりますが、それなりの大金が必要であることは容易に想像できるはずです。仮に1ヶ月の家賃が20万円の場合、少なくとも200万円程度は建物代だけで必要になるのです。

② 開業に必要な資金:店舗で必要な備品

美容師 開業

次に必要なのは、店舗で美容師が利用する備品や機器を購入する代金です。何人の美容師が働くのかや、店舗の規模にもよりますが、少なくとも50万円~100万円は必要です。店舗の内装にもこだわる場合や、床材の種類・機器のグレードなどにもこだわる場合は更に値段が上がります。塗装や大きな機器等は普段から購入するものではないため、企業側としっかり見積もりを交わした上で購入へ踏み切るようにしましょう。

 

その他、本格的な施術費必要な美容機器の準備には、250万円~300万円ほどが必要になります。リース契約で利用することができるケースもあるので、複数の企業・サービスを比較しながら機器の購入を検討しましょう。長く利用するものですから、値段だけはなく、こだわりのポイントを考えておくことも大切です。

③ 開業に必要な資金:施術に必要な薬剤などの購入費用

美容室 薬剤

施術の際に必要なシャンプー・ヘアカラー・トリートメントの代金なども必要になります。メーカーなどによっても異なりますが、薬剤の購入資金には50万円ほど確保しておくと安心です。この他、細かい備品にはゴム手袋・アイロン・ピンなどがあります。これらも1から揃えていく必要があるので、予めリスト化しておく事ができれば安心です。

④ 開業に必要な資金:従業員のお給料

美容室 スタッフ

当然といえば当然ですが、従業員を雇う・雇わないに限らず、お給料は必要になります。自分の分も含めて用意する必要があり、人数が増えれば増えるほど額面は向上します。

 

一般的な開業では、必要な給料の約3ヶ月分を用意するべきであるとされています。これらを踏まえて、3ヶ月分から半年分くらいのお給料を用意しておくことが大切です。他の資金に関しては後払いや分割払いが可能なこともありますが、お給料に関しては必ず全額を毎月支払わなければならないため、確実に確保しておきましょう。

これらをまとめると大体の予測ができる

ここまでの項目をまとめると、開業に必要な大体の資金を予測することができます。店舗の規模や場所・機器の種類や従業員の人数など、様々な要素によって資金は異なりますが、おおよそ800万円~1200万円くらいは必要だということが分かるはずです。

 

このくらいの金額を用意することができれば、ひとまず軌道に乗れるか乗れないかくらいのところまでは経営をおこなう事ができるでしょう。それ以降は経営の知識や経験が必要になるため、さらなる学習や体験を積んでいくことが大切になります。

⑤ 美容師1人でどのくらいの売上献上が可能なのか

美容師 収入

では、運転資金として美容師1人でどのくらいの売上を上げる事ができるのでしょうか。簡単に計算してみると、1日8時間勤務の美容師が4人の施術をしたとすると、1ヶ月で80人くらいの施術ができる計算になります。するとおおよその売上は50万円くらいになり、これから人件費とその他経費を引いた分がお店側の利益となります。

 

ただ単に美容師が多ければ良いということではありませんし、逆に少なすぎては売上を効率よく上げることができなくなってしまいます。店舗の立地や場所を考慮して、1日にどのくらいのお客様が来店しそうなのかまである程度予測・把握しておく必要があるのです。

 

最初の目標がどの程度なのかにもよりますが、基本的に最初の設定は低めでも特に問題ありませんし、用意できる店舗にも限りがありますから、それに見合った目標を設定するようにしましょう。このあたりを考慮することができるようになれば、支出(=お給料)と収入(=売上)とのバランスが明確になってくるはずです。

⑥ 内装費でどのくらいかかるのか

美容室 内装

内装費がかかることについては前述していますが、ここからは更に細かい部分について紹介していきます。一言に美容室といっても様々な形態がありますし、内装によって店内の雰囲気も大きく変わってきます。店舗の雰囲気を気に入って来店してくれるお客様もいますから、手を抜くべきでないことは言うまでもありません。

 

店舗の内装を整える際、着目するべきポイントは天井・壁・床・給排水です。天井・壁・床に関してはデザイン性の問題になってくるので、素材のこだわりや好みの壁紙を利用したい場合は別途費用が必要になります。

 

給排水に関しては、美容室ならではの工事項目であるといえます。シャンプー台の位置に合わせて整備する必要があるので、普通の店舗よりも綿密な打ち合わせが必要であり、その分工事期間・費用が長くなってしまう可能性もあります。ぜひ、業者に相談する段階から早めの検討を進めておきましょう。

 

内装の老朽化が顕著な場合はカモフラージュするための工事も必要になります。契約する時点で追加工事の必要がない物件を選ぶことができれば一番良いのですが、立地や費用の関係から止む終えないこともあるはずです。耐用年数や隅の老朽化などにも目を配るようにしましょう。

⑦ 設備費用:事務周り

美容室 事務

美容室を運営する上で必要になる設備・備品にも沢山の種類がありますが、まずは事務周りで必要になる備品から紹介していきます。事務周りで必要になる備品には、電話・パソコン・レジ・カウンター・事務作業用のイスなどが挙げられます。

 

特に、電話での予約を受け付けるためには店舗専用の電話機が必要になりますし、FAXを利用する場合には、対応したものを用意することになります。スタッフの勤怠管理や売上の管理・予約状況などの管理にはパソコンが必須ですし、お会計やお金の管理をするためにはレジが必要になります。これらの備品は店舗経営にとっては必須ですので、外すことはできません。

 

新品を用意することが難しい場合は、レンタル品や中古品を利用するという手段でも問題ありません。使いやすさや老朽化などがひどくなければ、スタッフからの苦情も無いでしょうし、お客様からは見えない部分ですから、売上などに直接影響する可能性は低いです。費用をしっかりと用意することも大切ですが、削減できる部分はしっかりと節約するような心がけも大切です。

⑧ 設備費用:客周り備品

美容室 備品

お客様の周りで必要になる備品には、スタイリングチェア・ドライヤー・鏡などが挙げられます。こちらもピンからキリまである商品にはなりますが、1つで沢山の機能がついていたり、沢山の利用方法が取れたりする商品がおすすめです。後から買い換えることになれば費用がかさむうえ、店舗の臨時休業日を設定したり対応客数を減らしたりなどの対応が必要になってしまいます。お客様の満足度に関わる部分でもありますから、ぜひ妥協すること無く、満足のできる商品を選定するように心がけましょう。

 

リース契約などを利用すれば、一度に支払うことができなくてもある程度の価格帯の商品を利用することができますし、リース終了後に再度判断することもできます。リース商品には定期メンテナンスなどが含まれることもあるため、自分で購入するよりも安心・安全に活用できる可能性もありますよ。

⑨ 設備費用:材料費

美容室 費用

最後に必要になる設備費用としては、薬剤などの材料費が挙げられます。薬剤に必要なお金に関しては「開業に必要な資金」でも触れましたが、開業後も当然、常に考えなければならない費用です。施術の仕上がりを左右するため、ここに関しても妥協することのないよう、用意しましょう。もちろん、美容師の方であれば、ある程度のこだわりや知識もあるはずですから、フルに活用して節約と品質の両立を目指しましょう。

 

店舗で用意するメニューにもよりますし、どの程度までカバーするのかにも左右されますが、種類が大いに越したことはありません。需要の多いものから多めに取り揃え、人気・需要の少ないものは後から用意しても特に問題はありません。美容師としての勤務経験や、先輩の開業美容師からお話を伺い、自分なりの購入したい商品リストをピックアップしておくのもおすすめですよ。

⑩ 広告費

インスタ 集客

美容師のみならず、店舗の経営・サービスの展開をする際には宣伝費用が必要になります。広告を出したりチラシを配ったりするための広告宣伝費も用意することができれば理想的です。立地がよく、人目につきやすいところの場合は宣伝費を抑える事ができますが、そうでない場合はしっかりと広告を打ち出すこともケースによっては必要となります。闇雲にインターネット広告などを出稿しても人が集まるわけではありませんし、専用の画像やチラシを用意するためにも時間や費用が必要になります。

 

専門のコンサルティング企業などにサポートを受ける際は、それに応じた費用が必要になりますし、画像の作成なども併せて依頼する場合には更に費用がかさみます。ただ、誰にも知ってもらう事ができなければそもそも来店してもらう事ができないので、広告費はできるかぎり用意するべきであると言えます。

どのように開業資金を用意すればよいのか

美容室 独立 資金

では、これらの開業資金はどのようにして用意するのが良いのでしょうか。一番簡単なのは、自己資金です。自分が貯金しておけば、どこからもお金を借りることなく、すべての契約をすることができます。面倒な契約や事業計画書の審査なども必要ないので、ほぼすべてを自分のペースで進める事ができるというメリットがあります。

 

しかし、初めて開業する場合には数百万円から数千万円の資金を貯蓄のみで用意するのは厳しい側面があるはずです。そのような場合には、日本政策金融公庫から融資を受けるという方法もあります。多くの開業者は日本政策金融公庫からの融資を利用している傾向にあり、開業実績などが無くても融資が受けられる可能性があります。

 

ある程度の自己資金を用意していることや、事業計画書などの用意をしておく必要があるので、その点は抜かりがないようにしましょう。審査には面談が必要になります。焦らず、紳士に受け答えをし、開業して経営者になることの自覚と覚悟を認めてもらえるよう、しっかりと準備することが大切です。

まとめ

まとめ

今回は美容師として開業するために必要な資金について紹介しました。実際の調査によると、開業に必要な平均金額は1000万円ほどとされています。店舗の用意から資金の準備・備品の購入・スタッフの確保まで自分が主導することになりますから、大変ではありますが、それだけの覚悟と準備が必要であるということです。

 

開業に必要な資金に関してはすべてを用意することができなくても、日本政策金融公庫から融資を受けるという方法があります。返済は必要なので、ある程度のリスクは伴いますが、開業するという夢を叶えるためにも、最初から最後まで一貫して取り組むようにしましょう。

 

開業資金を抑える方法として、設備のリース契約やレンタル・中古品の利用などが有効です。特に、スタッフ周りの部分は見た目よりも利便性を追求するほうが効率よく業務が行える可能性もあるため、検討してみると良いでしょう。

独立の不安は「クルー」に相談!

独立 不安

美容師の独立にあたっては、お金の問題をはじめ、様々な不安がつきまとうでしょう。先輩や同僚などにアドバイスを受けられればベストですが、中には円満に独立できないケースもあり、1人で悩みを抱えてしまう場合があります。

 

そんな時、悩みを相談するのにオススメなのが「クルー」です。クルーはお店の開業を専門とした不動産会社ですが、不動産のお悩みだけでなく開業資金やスタッフの管理、お店の宣伝など、独立にあたって必要な全てのことをサポートしてくれます。

 

相談は無料ですので、少しでも不安があれば1で抱え込まず、ぜひ1度クルーに相談してみると良いでしょう。